◇◇ 第15章 ふたりの生活 ◇◇

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「あっ、あの、あとベッドを買いたいのですが……」 「何で?」 「えっ!?フローリングに直にお布団敷いたら冷えるので」 「要らないでしょ?俺の部屋にベッドあるし?」 えっ…… やっぱり…… 一緒に寝るつもり? 「ひとつあれば十分だろ?」 聞かれたあたしが真っ赤になる。 大きさはキングサイズだから十分だけど。 うれしいけど、毎晩一緒って…… ちょっと刺激が強すぎませんか? 控えめながらも疑問の視線を送るあたしに、 「ベッドは要らない」 そう断言すると、和也さんはニヤリと笑った。 段ボールも片付き、掃除機をかける。 ふたりでするとめちゃめちゃ早い。 あとは、雑巾がけをして、部屋は、ピカピカになった。 それでも、片付いた時には、4時を回っていた。 ホコリを払ってお布団を取り込む。 片付け終了! ホッとしたあたしは、取り込んだお布団に倒れ込んだ。 18階の窓からは、優しい風が吹き込む。 ちょっとだけ…… ちょっとだけ休ませて…… あたしは、そのまま眠ってしまった。
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