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俺は、コーヒーを淹れて璃子の部屋をノックした。
「璃子、コーヒーでも飲まないか?」
あれっ?返事が無い。
そっと部屋を覗くと、璃子は、取り込んだ布団の上で眠っていた。
『眠る』と言うよりは、倒れ込んだと言う方が表現としては正しいかもしれない。
俺は、そっと眠っている璃子の横に座った。
昨日、今日と、随分振り回して疲れさせてしまったからな。
ごめんな……璃子。
俺は、思わず微笑んだ。
真っ白な肌に、パーマのかかった栗色の長い髪……
長い睫毛に……
整った唇……
大きな瞳は、今は閉じられていて見れないが、
そのすべてが愛しい。
璃子……
俺がこの日をどんなに楽しみにしていたか、キミはわかるかい?
半ば強引に赤い糸を手繰り寄せ、ここまで連れてきてしまったが、キミを手に入れるために俺がどれ程努力したかわかるかい?
俺はそっと璃子の頭を撫でた。
少し強引すぎて、キミの気持ちがまだ追いついていないんじゃ無いだろうか?
ここから、キミが大人の女に成長するのと一緒に、ゆっくり2人の絆を深めて行こう。
そして、早く上司と部下の関係を飛び越して、俺の胸に飛び込んでこい。
俺は……
ずっと傍で見守っているよ。
今は、ゆっくりおやすみ。
俺は、そっと璃子を抱き寄せ、布団の上に一緒に横になった。
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