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「白石部長もお昼遅いですね」
「優輝でいいよ」
「いえいえそれはちょっと」
「せめて璃子ちゃんと食事する時は、仕事の事を忘れさせてよ。それに仲のいいヤツには名前で呼ばせてるし」
確かに、優輝さんは、帰国してから、休みなく働いている。お客様も次から次で、息をつく暇がないのは周知の事実で。
「頼むよ璃子ちゃん。これ命令だから」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
「あぁ」
「優輝さん、お昼遅いですね」
「まぁ、食べれるだけ良いけどね」
「しっかり食べてください」
「俺、身体だけは丈夫だから」
「身体だけじゃなく、メンタルもかなり頑丈だって噂で聞いてますよ」
「そう?璃子ちゃんに癒されて、またこのあとも頑張れそうだよ」
「またぁ、そんな事ばっかり言ってるんだから!」
顔を見合わせてクスクスと笑う。
優輝さんにとって、あたしがどれ程の癒しの存在になっているかはわからないけれど。
あたしとだと、難しい話しにもならないし、大人の駆け引きが無い分、ずいぶんと気が楽だろうとは思う。
まして、あたしをからかっている時の優輝さんは、楽しそうで、肩の力が抜けているのがわかる。
そして、何より、あたしにとっても優輝さんは、力を抜いて話せる優しいお兄ちゃん的存在になっていた。
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