◇◇ 第16章 四角関係 ◇◇

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あたしは、思わず、ぷっと膨れっ面をした。 最近、いつもこんな感じであたしの心の暗幕が、あっさり剥ぎ取られる。 それだけ、和也さんの手のひらの上で転がされているって事なんだけど。 いまいち納得がいかない。 でも、和也さんは、そんなことお構い無しで、あたしの不安の芽を摘む。 「璃子おいで」 そっと腕を広げて和也さんが呼ぶ。 あたしは、飼い主に呼ばれた子犬のように歩み寄った。 近づくと、和也さんに腕を引かれ、その胸の中にすっぽりとおさまる。 ひと呼吸置いて、和也さんが話し始めた。 「優輝と俺は、あっあと更科も、高校からの同級生で、冴子は大学からの同級生。 そして当然、今までに冴子と男女の仲になったことは無い。もちろんこれからも無い!わかった?」 えっ、そうなの!? あたしのちっちゃな疑問は、あっさり解決される。 でも、本当は嬉しいくせに、素直になれないあたしは 「そんなこと、全然気にしてないし」 と、強がりを言った。 それを聞いて、和也さんはクスッと笑ってあたしの頭を撫でた。
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