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「っで、璃子は?
やっぱり、りんごは優輝だよね?」
「うん。でも、本当に知らなかったの」
「わかってるよ。優輝、上手いからなぁ。俺が出た会議室の後も、ふたり仲良く話し込んでたみたいだしなっ」
「そんなつもりは、全然ないよ」
慌てて弁解するあたしに
「わかってる。璃子の事は、誰よりも、なっ」
そう言うと、あたしの顎をすくいあげ、優しくキスを落とした。
いつもよりも、明らかに荒々しいキス。
深く深く心の奥底まで入り込んでくるキス。
あたしを抱く手にも力が入ってる。
和也さん……
もしかして……
嫉妬してくれてるの?
そっと唇が離れ
真っ直ぐ、あたしの心を見透かすような瞳で見ながら和也さんは、囁いた。
「璃子、お前は俺のものだ!」
穏やかながらも、心に刻み込まれる言葉に
心臓が、トクンッと音をたてる。
あたしは、静かに頷いた。
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