◇◇ 第16章 四角関係 ◇◇

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「っで、璃子は? やっぱり、りんごは優輝だよね?」 「うん。でも、本当に知らなかったの」 「わかってるよ。優輝、上手いからなぁ。俺が出た会議室の後も、ふたり仲良く話し込んでたみたいだしなっ」 「そんなつもりは、全然ないよ」 慌てて弁解するあたしに 「わかってる。璃子の事は、誰よりも、なっ」 そう言うと、あたしの顎をすくいあげ、優しくキスを落とした。 いつもよりも、明らかに荒々しいキス。 深く深く心の奥底まで入り込んでくるキス。 あたしを抱く手にも力が入ってる。 和也さん…… もしかして…… 嫉妬してくれてるの? そっと唇が離れ 真っ直ぐ、あたしの心を見透かすような瞳で見ながら和也さんは、囁いた。 「璃子、お前は俺のものだ!」 穏やかながらも、心に刻み込まれる言葉に 心臓が、トクンッと音をたてる。 あたしは、静かに頷いた。
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