◇◇ 第16章 四角関係 ◇◇

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「村上姉さんありがとうございます」 あたしは、村上姉さんの優しさがうれしくて、微笑んだ。 「しっかし、松本部長は、相変わらず仕事が早いわね~。いつそんな話になったの?」 「冴子さんが出社された日の夜です」 「あぁ、璃子が、冴子さんが『和也』って言ってるのを聞いて驚いた日ね?」 「……はい」 村上姉さん、そんなはっきり言わなくても…… あたしは、真っ赤になりながら返事をした。 「へぇ、さすが松本部長。不安が大きくなる前に手を打つんだ。よかったね、璃子」 「気にならないことは無いんですけど。出来るだけ気にしないようにしてます」 「それがいいよ!ちゃんと松本部長を信じてついていきなっ」 「はい」 あたしは、村上姉さんと目を見合わせて笑った。 「じゃあね、もうひとつあるんだけど?」 「あっ、もうひとつのビッグカップルってどなたですか?」 あたしが瞳をキラキラさせて聞くと、村上姉さんは、今までの柔らかな顔つきを一変させた。 「問題は、そっちのカップルなんだけどね」 村上姉さんは、ため息混じりにご飯を口に放り込むと、ちっちゃな声で話始めた。
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