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「村上姉さんありがとうございます」
あたしは、村上姉さんの優しさがうれしくて、微笑んだ。
「しっかし、松本部長は、相変わらず仕事が早いわね~。いつそんな話になったの?」
「冴子さんが出社された日の夜です」
「あぁ、璃子が、冴子さんが『和也』って言ってるのを聞いて驚いた日ね?」
「……はい」
村上姉さん、そんなはっきり言わなくても……
あたしは、真っ赤になりながら返事をした。
「へぇ、さすが松本部長。不安が大きくなる前に手を打つんだ。よかったね、璃子」
「気にならないことは無いんですけど。出来るだけ気にしないようにしてます」
「それがいいよ!ちゃんと松本部長を信じてついていきなっ」
「はい」
あたしは、村上姉さんと目を見合わせて笑った。
「じゃあね、もうひとつあるんだけど?」
「あっ、もうひとつのビッグカップルってどなたですか?」
あたしが瞳をキラキラさせて聞くと、村上姉さんは、今までの柔らかな顔つきを一変させた。
「問題は、そっちのカップルなんだけどね」
村上姉さんは、ため息混じりにご飯を口に放り込むと、ちっちゃな声で話始めた。
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