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「わかった、わかった」
優輝さんは、降参したかのように私の目を見た。
「まず聞かせてくれ。
和也が本気を出してきたって何だよ?」
私は、楽しくて、軽快に話し出した。
「今度の社員旅行、ほらっどこの課も部長とかが数名代表で、緊急時の為に自家用車で行くじゃないですか?」
「あぁ。それが?」
「松本部長が、璃子を連れていくって言ってるみたいで、今、行きのバスのキャンセルに行ったんですよ」
「仕事だろ?」
「まぁ。表向きは商談みたいですけど、普通、璃子は新入社員なんだから、バスでしょう?」
俺は、由香里の表情を見ながら考えた。
まぁ。意味は大体わかる
バスの中に璃子を解き放てば、狙っている奴もいるし、
俺だとしても、連れていくな。
「優輝さん聞いてるんですか?」
「あぁ、まぁ仕事だろ。あんまり小さな事を大事にするなよ!」
「優輝さんの為に言ってるのに!」
「俺のため?だったら前にも言ったはずだぞ!そっとしておいてくれってな」
優輝さんは、ニヤリと笑った。
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