ずっとそばにいてくれたね 第10話

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******** あたしは、優輝さんとちゃんと向かい合えず、罪悪感に駆られていた。 ケーキのお礼も言いたいし。でも、身体は正直で、優輝さんの姿を見るだけで、アタフタしてしまっていた。 和也さんと優輝さんはと言うと、 和也さんが『俺たちの仲は、変わらないよ』と、言っていた通り、相変わらず仲良しで、普段と変わらず休憩で会うと、2人でコーヒーを飲みながら話をしていた。 やっぱり、大人だよね。 ちょっと羨ましく感じながらも、遠くから2人の姿を見ているだけで、あたしは、安心感を覚えた。 あたしと優輝さんは、何度もニアミスを繰り返しながら、数日が過ぎていた。 そして、金曜日。 逃げも隠れも出来ない状況は、突然訪れた。 あたしが、社食で食べ始めた辺りで、優しい声が降ってきた。 「璃子、隣いいかな?嫌なら他に座るけど」 見上げると、優輝さんが優しい微笑みを湛えていた。 「あっ……」 「どうしたらいい?」 ズルい!優輝さん、あたしに決定権を与えるなんてズルすぎる! 「どうぞ……」 あたしは、そっと椅子を出して促した。 「ありがとう」 優輝さんは、嬉しそうに微笑むと、そのまま黙って食べ始めた。 何か言わなくちゃ……何か話さなくちゃ…… 焦れば焦るだけ挙動不審になる。 あたしは、パンを握ったまま動けなくなった。
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