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「そろそろこれでお姫さまの機嫌を治してほしいんだけどなっ」
優輝さんは、そう言うと、あたしの前に、プリンを置いた。
えっ!?プリン!?
あたしは思わず吹き出した。
「優輝さんったら、子ども扱いし過ぎ!」
思わず文句を言いながら優輝さんを見ると
優輝さんは、肘をついてあたしを見つめていた。
その熱い視線と視線が絡まる。
「やっと……笑った」
優輝さんの、ホッとした顔と、微笑みに、あたしの心は、キュンと音をたてた。
そこからの優輝さんは、さすがに営業だけあって、見事に会話を繋いで、
あたしは、あっという間に、いつものあたしに戻っていた。
「明日の社員旅行、温泉が有名な所だから、ゆっくり入るといいよ」
「へぇ、そうなんですか」
「混浴もあるから、入る前に連絡しろよ」
優輝さんは、ニヤリと笑ってあたしを見る。
「大丈夫です!あたしは、混浴には入りませんから!」
「それは、残念」
優輝さんの話術に、あたしは上手く乗せられていた。
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