ずっとそばにいてくれたね 第10話

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******** 璃子…… 俺は、意識を失うように眠りについた璃子を抱き上げた。 今日だけで、何度も味わった極限状態の緊張から解放されたんだ。 無理もない。 そのまま、寝室へ運ぶ。 間接照明の明かりの中、そっとベッドに下ろして顔を見ると、頬は涙で濡れていた。 上着を脱がせて、ブラウスのボタンを上から2つ外してやる。 一瞬、優輝のコロンの薫りが鼻についた。 二度も抱きしめられたんだ、薫りがしても当然か…… 自分に言い聞かせる。 だが、首元から見える白い肌に吸い寄せられた。 思わず首筋に唇を這わせ、鎖骨の辺りに顔を埋める。 璃子の香水の柔らかなroseの薫りが鼻を擽る。 ブラジャーの紐が見える。 思わず3つ目のボタンに手をかけた。 「嫉妬に駆られ過ぎだな」 自分に失笑して思いとどまった。 璃子をそっと寝せて、布団をかけた。 「はぁーっ」 大きなため息が自然と出た。 璃子、お前の前では余裕なフリをしているが この俺が、嫉妬で狂いそうだよ。 優輝と璃子が仲がいいことは知っていた。 だが、酔っぱらいから助けた時の優輝は、 ……完全に男の顔だった! あの瞬間、正直ヤバいと思った。 きっと、俺が璃子を抱きしめたのを見た時、同じように優輝は何かを感じたハズだ。 それなのに……俺は、璃子を優輝に任せた。 冴子に言われた言葉も酷く心に痛む。 だから、今回は俺のミス……璃子だけを責める訳にはいかない。
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