ずっとそばにいてくれたね 第10話

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翌朝。あたしは、和也さんの腕の中で静かに目覚めた。 失いかけた愛しい人の腕の中…… あたしは、和也さんの胸に擦り寄ると、ギュッとしがみついた。 あたしを包んでいる和也さんの腕に力が入り、ギュッとあたしを抱きしめる。 『夢じゃない』 あたしは、いつもの和也さんのコロンの薫りを吸い込んだ。 「大丈夫か?」 穏やかに語りかける声が聞こえる。 「……うん」 いつから眠ってしまったんだろうか? 確か玄関にいたはず…… 和也さんの言葉を聞いて、ホッとして身体中の力が抜けた。その瞬間から記憶が無い。 「起きれるか?」 「……うん」 そっと腕が緩まり、和也さんの顔が覗く。 穏やかだけど、その瞳は心配の色をしていた。 きっと、一晩中あたしを包んでいてくれたはず…… 和也さん、あなたはそんな人。 ポーカーフェイスを決めていつも余裕に振る舞っているけれど、実際は、誰よりも細やかに気を遣い、さりげない優しさで包んでくれている。 一緒に住むようになって、少しずつわかってきたよ。 本当にいつもありがとう。 ,
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