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浴衣姿の和也さんは、いつもの寝間着姿より、きれいな鎖骨と逞しい胸元がチラリと見えて、男の色香が漂っていた。
まだ全部見たことの無い、新たな素肌の小出しに、あたしの心臓は、バクバク言っていた。
毎晩、この身体に抱きしめられて眠っているなんて……
冷静に客観的に見ると、ますますあたしの心臓が暴れ始める。
これでは、あたしの方が変態だ!
そのくらいに、和也さんの男の色気は、あたしのそれより勝っていた。
「璃子、きれいだよ」
会場に向かって少しずつ歩きながら、突如耳元で和也さんが囁く。
ふわりと薫る和也さんの柔らかなコロンの香りにも煽られて、あたしは、一瞬で真っ赤になる。
きっと和也さんのいたずら心に火が着いたんだ。
「髪をアップにして、襟足がなんだかイヤらしいな。もしかして誘ってる?」
「ちっ、違うし!」
どもるあたしに、村上姉さんが笑う。
和也さんは、そんなあたしの様子を楽しんでいた。
会場内は、とても広かった。
席は決まってはいないけど、一応役職などの気を遣った配置を心がけながら、それぞれ課ごとや、仲良し同士で座る。
特に海外事業部は、その独特な仲の良さで、若い方たちが席を取り、優輝さんや冴子さんを招き入れていた。
そして、当然ふたりと仲のよい和也さんも呼ばれ、最近、優輝さんと噂になってるあたしも席に呼ばれた。
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