ずっとそばにいてくれたね 第10話

5/15
2277人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
朝のシャワーを浴びて、部屋着に着替え、冷蔵庫のミネラルウォーターを取り出す。 冷蔵庫の中には、優輝さんにプレゼントされたケーキが入っていた。 和也さんが入れてくれたんだ…… いったい和也さんは、どんな気持ちでこのケーキを入れてくれたんだろうか? ぼんやり見つめていたら、 「食べたら?その方が、優輝もケーキも喜ぶよ」 いつの間にか後ろに立っていた和也さんが言った。 「えっ」 驚くあたしをよそに、サッとお皿等を準備している。 きっと、優輝さんとの経験を、あたしのきれいな想い出の1ページとして残そうとしてくれてる。 これが、和也さんの優しさ…… あたしは、咄嗟にそう感じた。 和也さん……カッコよすぎです! 昨日の営業部の酔っぱらいが言ってたみたいに、 男としての懐の大きさに……あたしメロメロです。 ちょっとうれしくて、テーブルの上でそっとケーキの箱を開いた。 中身は、ぐちゃぐちゃだった。 「仕方ないな。派手に落として転がしてたからなっ」 和也さんが、あたしの心の声を代弁する。 ふたりで目を見合わせて、アハハハ……と声を出して笑った。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!