2277人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
朝のシャワーを浴びて、部屋着に着替え、冷蔵庫のミネラルウォーターを取り出す。
冷蔵庫の中には、優輝さんにプレゼントされたケーキが入っていた。
和也さんが入れてくれたんだ……
いったい和也さんは、どんな気持ちでこのケーキを入れてくれたんだろうか?
ぼんやり見つめていたら、
「食べたら?その方が、優輝もケーキも喜ぶよ」
いつの間にか後ろに立っていた和也さんが言った。
「えっ」
驚くあたしをよそに、サッとお皿等を準備している。
きっと、優輝さんとの経験を、あたしのきれいな想い出の1ページとして残そうとしてくれてる。
これが、和也さんの優しさ……
あたしは、咄嗟にそう感じた。
和也さん……カッコよすぎです!
昨日の営業部の酔っぱらいが言ってたみたいに、
男としての懐の大きさに……あたしメロメロです。
ちょっとうれしくて、テーブルの上でそっとケーキの箱を開いた。
中身は、ぐちゃぐちゃだった。
「仕方ないな。派手に落として転がしてたからなっ」
和也さんが、あたしの心の声を代弁する。
ふたりで目を見合わせて、アハハハ……と声を出して笑った。
最初のコメントを投稿しよう!