ずっとそばにいてくれたね 第10話

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「ほらほら璃子ちゃん大丈夫?」 あたしは、ウンウンと首を上下に振って頷いた。 村上姉さんの納得のリアクションだったのか?次の話題に話が移った。 「あっ、今週社員旅行じゃん!?璃子準備した?」 「あの村上姉さん、あたし行きは一緒に行けなくて。帰りは同じバスなんですけど」 「行きはどうするの?」 「あの、松本部長の商談に一緒に同行になりまして、松本部長の車で送っていただく事になるんですけど」 あたしは、和也さんに言われた通りに話した。 「ふ―ん。そっかじゃあ仕方ないね。ホテルで待ってるから、早く来れるといいね」 いつもとは違い、あっさりと引き下がった村上姉さんの態度に、ちょっと驚きながらも、あたしはそれ以上追及されず、ホッとした。 その時だった。 「璃子、隣いい?」 いつもの穏やかな声がした。 「あっ!優輝さんどうぞ」 村上姉さんが席を勧めた。 あたしは、一気に心臓がマックスバクバク言い始めた。 「あっ、あの、あたし総務に行くので、よかったら、どうぞ」 優輝さんと一瞬視線が絡んだ。 トクンッ……心臓が音をたてる。 そこには、いつもと同じ穏やかな眼差しがあった。 でも、あたしはそれ以上優輝さんの視線に耐えることが出来なくて、そのまま立ち去った。
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