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そんな訳で珍しく、相手の事を調べた俺は猫宮アリスについての情報を少しは握っている。
彼女の使う[歌魔法]、これは歌で相手に幻覚を見せたり、身体能力を上げたりする魔法。
どちらかと言うと、サポート系の魔法だ。
『試合開始ッ!』
そして始まりの合図。
相手が使うのは[歌魔法]ということで、俺が用意した……というより来夏に用意してもらったのは耳栓。
これは只の耳栓ではなく、一切の音を排除する優秀な耳栓。これを装着し、騒がしい歓声が聞こえなくなった。
俺も猫宮アリスも中距離型のタイプ。だが、俺は敢えて前に出る。奇襲だ。
「は……?」
俺が前に出ようとした瞬間、猫宮アリスは側転しながら俺に近付き、近付くと、バク宙をしながら蹴りかかって来た。
その予想外の動きに俺は反応が遅れる。慌てて出した重力球も何故か空中でかわされた。
「ーーーーー」
猫宮アリスが何か言いながら繰り出す蹴りを俺は辛うじて、ガードする。
…………あれ、全く痛くねぇ。
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