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その後も次々と、世界が変わって行った。
無数の雷に襲われたり、両手足を縛られ海の中に沈んで行ったりと、コロコロと変わる世界に気が狂いそうになる。
「アタイの歌魔法について説明してあげるよ。簡単に言うと、アタイの歌を相手に聴かせる事によって相手の脳を支配するのさ」
俺の目にちゃんと闘技場の風景が映ると、何やら姉御肌を漂わせた猫宮アリスが口を開く。
「でもでも~。少し前に言ったように世の中色んな人がいるから~、耳の聞こえない人もいるのよね~」
段々と俺の中で何かがこみ上げてくる。
「だから、そ、そんな人にも私のゴミみたいな歌が、届くようにわ、私はひ、閃いたのです」
統一しないキャラ。相手をバカにしているかのようなキャラ転換。
「私の歌う姿を見て、私の歌を想像させればいい。見えないなら、肌で感じさせて、想像させればいい。天才的な私の閃きによって、幸運なことに人類で私の歌を聴くことの出来ない人はいなくなりました」
こみ上げて来たものは、怒り。
「さてさて、ここで問題です」
「"頭が高ぇ"」
猫宮アリスの言葉を遮り、重力魔法を使ったが、先程聴いた歌が聞こえる。
つまり、俺の魔法は消えてしまった。
「相手の脳を支配する私の魔法は、相手の脳を直接破壊する事が出来るでしょうか? ーー答えはYes」
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