我儘姫の歌声

7/16

365人が本棚に入れています
本棚に追加
/109ページ
「ま、しないけどね~」 猫宮アリスの言葉に怯んでしまっていた俺は、その楽観的な言葉に緊張が解けてしまった。 「当たり前じゃ~ん。ウチは人殺しが好きなわけでも、したいわけでもないんだからさ~」 それもそうかと思うと同時に、じゃあ何がしたいんだ。俺が口を開くよりも先に猫宮アリスが言葉を続ける。 「私様は誰かを絶望させたいんだよ」 背中に走る寒気と共に俺は反射的に重力球を放つが、やはり猫宮アリスの歌によりそれは消される。 そして猫宮アリスは新たな歌を歌った。 「"魅惑の歌"」 色っぽい官能的な歌。その歌が聞こえると、俺の脳内である変化ぎ起きた。 今戦っている相手なのに、寧ろ嫌いな相手なのに、奏がいるのに、どんどん猫宮アリスに惹かれていく。 猫宮アリスから目が離せなくなる。 「誰かを好きになるっていうのは、脳で起こってるんだぞ☆。今君は大好きだった彼女よりお姉さんの事を好きになっちゃった☆☆☆」
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!

365人が本棚に入れています
本棚に追加