我儘姫の歌声

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過去は受け止め、乗り越える。 未来は最悪にならないよう、頑張る。 そして今を、全力で楽しむ。 嘗めんじゃねぇぞ、猫宮アリス。俺はこんなもんじゃ、止まらねぇぞ。 「……………何で、そこまで頑張れるのさ」 自分の勝利を確信してたであろう猫宮アリスは、俺が立ち上がり、未だ闘う意思を見せた事に驚いた。 「いやいやしつこい。私との実力差は証明した。君の頑張りは見せてもらった。よくやったって褒めてやった。何故君はまだ頑張れるの?」 ハッ。決まってんだろ、そんなもん。 「惚れた女の前でカッコつけたい。男が頑張る理由なんて、それで充分だろ」 「………やばい。濡れちゃいそう」 つくづく人の決め台詞を台無しにする人だ。 「面白いし、楽しいや。よし、お姉さんがもう少し遊んでーーッ!?」 不意に猫宮アリスの様子が変わる。 今まで何が起きても変わらなかった余裕が見られない。 「ーーやっぱり、一瞬で終わらせるわ」 その言葉と共に耳に流れる歌を聞いた俺の意識は今度こそ、なくなった。
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