銀狼

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「七海っ!?」 予想外の人物の登場に廉が驚愕する。 俺だってそうだ。屈強な男でもイケメンでもなければ、現れたのは俺達のクラスメイト白河。 驚くなって方が無理だろ。 「いや、まぁ……何かスカウトされました、はい」 白河自身も気まずいのか、いつもと口調やらテンションやらが違う。 「[銀狼]として俺達の前に立っているということは、今まで力を隠してたってことか?」 今度は天城が言葉をかける。 夏休みまでの白河の実力は知っている。弱くはないが、二つ名を持つまでは強くない。 俊平以上の急成長はそうそう考えられない為、今まで力を隠していたというのが、考えられる。 「いや、そんな事はしてないよ」 だが、白河はこれをあっさり否定する。 『同じ学校の一年、積もる話もあるだろうが、そろそろ始めようぜ! 準備はいいか? 試合開始ッ!』 「力を隠してないし、強くなったわけでもない。ただ、魔法を一つ覚えたんだ。いくよ、"ギンちゃん"」
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