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「さっそくだけど見せてあげる。"月の光"」
白河がそう口にすると、白河の狼が光に包まれた。
「来夏、あれはどういう魔法なんだ?」
「別に凄い魔法でもなんでもねぇよ。ただ単に昼間でも月の光を浴びれるだけの魔法だ。綺麗だろ?」
「それだけ!?」
いやいや、月の光を浴びるだけって何の意味があんだよ。
「だが、あの狼が月の光を浴びる事に意味がある。狼男って知ってるだろ?」
狼男って満月を見ると、狼になる人間のことだろ?
いやでも、白河の使い魔は元々狼だし。
「さしずめ男狼ってやつか。あの使い魔は相当希少な存在なんだよ。変身の条件は、主に十年以上仕えていること。主との間に強い信頼関係が存在していること。そして、月の光を浴びること」
来夏が言い終えると同時に白河の狼が強い光を放つ。眩しさで目を瞑ったが、開くと狼の姿はなく、一人の男が立っていた。
褐色の肌にウルフカットにされた輝かしい銀色の髪。
細身だが、筋肉質で長身。
目は鋭く、ギラリとした感じ。
つまるところ、イケメンです。はい。
「ご主人の敵は、俺が潰す」
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