銀狼

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「先ずは、てめぇだ」 男狼がそう口にした時には、既に大和の懐に潜り込み、拳を構えていた。 「っ!?」 慌てて大和は防御に移るが、男狼の方が早い。右のボディブローで、大和の体をくの字にし、左の拳で大和の顔を殴りつける。 大和は吹き飛ばされるが、その進路に男狼が先回りをしていた。 「俊平並に速ぇな」 「俺のが速ぇよ、バカ」 俊平はそう言うが、その差は少ない。目で追えない、反応すら難しい速さだ。 男狼は吹き飛ばされている、大和に追撃しようと、拳を構え、殴りかかる。 「"黄金の両腕"」 しかしその拳は魔法で攻撃力、防御力を上げた天城が止める。 が、 「邪魔だ」 男狼の拳が天城の黄金を砕いた。 天城の魔法を超える力と、俊平並の速さ。 相当やべぇな、あいつ。 「だったら、主を狙えばいいのよ」 男狼を相手にするのは、難しいと判断した奏が白河を狙う。 「"空砲"。 貴女を倒せば、あの使い魔も消えるでしょ、悪いわね」
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