銀狼

12/13
前へ
/109ページ
次へ
「全身に黄金を纏った天さんの攻撃力と防御力は立派だよ」 天城が殴りかかるが、その拳が届くよりも早く、白河は天城の背後へ回り込む。 「でも黄金を纏うだけ、天さんの速さは失われる。"八岐大蛇"」 天城の影が形を変え、八首の蛇になる。その蛇は天城の体にまとわりつき、締め上げる。 「物理系の攻撃は通らなくても、絞め技は効くよね」 天城を締め付けながら、白河はニッコリと笑う。 「伸びろ、蛇々丸!」 今度は大和の太刀が白河を襲う。伸縮自在の太刀は、白河を突き刺すように伸びていく。 「残念だけどエセ侍は、わたしとは相性が悪いかな。"影止め"」 白河は自身の刀を向かってくる太刀の影へと投げる。その刀が影を突き刺すと、大和の太刀は動きを止めた。 「影を武器とするわたしに、面積を増やすことになるエセ侍の武器は、わたしに武器を増やすのと一緒だよ?」 大和の太刀に出来ている影が、鋭利な形となり大和へと襲いかかる。 「っ!」 大和はこれをかわすが、かわした先には既に白河の姿が。 「らあっ!」 大和を蹴り飛ばし、白河は息を吐く。 「さてと、こんなもんかな」 いやいやいやいや、強すぎません?
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!

365人が本棚に入れています
本棚に追加