第1話

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グオォォ! 「ぎゃぁぁぁぁぁ!助けてください先生!」 「ほら、しっかり剣を構える!」 「無理です!助けてください!」 目の前には男の子と怪物。 この、熊みたいな怪物を倒すのが、男の子の今日のノルマだ。 はあ、しかしなんでコイツはこんなにも臆病なんだ。 そろそろ、助けてやらないと。 「ほら、結界張ってやるから!結界が効いている間に倒しな!」 結界はダメージを遮断する。一定数ダメージが無くなるわけだ。 「怖いです!」 男だろお前…情けない。 ……しょうがない。 タン! 私は軽く地面を蹴る。 そして、軽く剣を振る。 ギャァァァ! 怪物の断末魔が響く。 「お前、今の敵ぐらい倒せるようになれ!」 「無理です!あんな敵俺にはまだ無理です!」 即答か。 はあ、もう少し頑張って欲しいものだ。 私、華園 礼奈は退魔師だ。 私が一番得意とするのは、結界を張ることだ。 いわゆる、巫女というものだ。 ついでに言えば、退魔師を育てる学校で教師をしている15歳だ。 さっきから叫んでいるヤツは、黒葉 芥だ。 うちの学校は、15歳から入ることができるが、先生の年齢は制限がない。 だから私も、教師として働くことができる。 全員、優秀には変わりがないがな。 「そんなんじゃ、次のテストの実技赤点だぞ!」 流石に赤点は可哀想だから、こうして補習をしていたのだ。 「そうですよね、ほかの奴らは結構倒せているのに、俺だけ」 まあ、退魔師は人気がなくて総生徒は10人くらいだしな。 比べるには人数が少なすぎるが、流石にこんなに戦闘力がないのはきつい。 頭の回転がはやいから、参謀に向いていると思うが流石にな。 「お前侍じゃなく、カンナギを目指したらどうだ?」 カンナギとは、私のような結界を張るのを得意とする能力だ。 頑張れば、能力などいくらでも持てるからな。 「戦闘が出来るようになったら、侍を覚えたらどうだ」 「いや、侍でいきます!また補習に付き合ってくれますか?」 即答で否定された。 「珍しいな、お前がなぁ。いいさ、いくらでも付き合ってやるよ」 「有難うございます!」 そして、私達は別れてそれぞれ家へ帰った。 うちのクラスは、 麻田 麻依 召喚士希望 女 赤城 空海 銃騎士希望 男 黒葉 芥 侍希望 男 佐倉 涼 魔道士希望 男 田中 哀歌 演奏家希望 女 仲村 千聖 森呪遣い希望女 うちのクラスは六人だ。芥はこの中で戦闘能力が一番低い。どうしたものか。
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