第1話

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今日は平日だ、学校がある。 私はいつもと同じように家を出た。 学校は家にとても近く便利だ。 「華園先生!おはようございます!」 何時も挨拶してくれる、仲村千聖だ。しっかりしていて、面倒見もいい。黒葉芥のことをいつも気にかけている子だ。 「ああ、おはよう」 「せんせー!おはー」 砕けた感じの挨拶は田中哀歌だ。 皆のムードメーカーと言っているが、私にとっては騒がしいめんどくさい生徒だ。 「おはよう」 「先生、おはようございます」 クールな印象を抱く麻田麻依だ。頭がよく、戦闘も出来る手のかからない子だ。 その後も、赤城空海が挨拶してきた。元気な印象を抱く。頭は良くないが、戦闘能力に優れている。 今日はまだ黒葉と佐倉に会っていない。黒葉は勉強するために早く学校に来る。佐倉涼は、朝が相当苦手なようで、九時ギリギリに来る。もっと余裕を持って欲しいものだ。 私は、職員室の自分の席にすわった。この学校の先生は校長を含め3人しかいない。校長と言ってもとても若い20代後半だったか。退魔師自体はそんなに少なくない。しかし、教員となって働く人が少ないのだ。 しばらく、データ整理などをしていると、校長が来た。こいつの名前なんだったかな。まあいい。 「華園先生、あなたのクラスを来週実戦を混じえた合宿をします。用意しといてください」 「解りました」 やけに急だな。あいつらは余り仲良くねぇからな、仲を深めるにはちょうどいいがな。実戦を混じえてだから、黒葉あたりがいい顔はしないだろうが。 時計を見ると、8時50分と出ていた。 そろそろ、クラスへの行くか。 「おはよう」 そう言って、クラスを見渡す。 佐倉は、まだ来てないようだ。 ガラガラ! 扉を勢い良く開ける音がする。 「先生!遅れましたすみません!」 息を乱しているところを見ると、全力で走ってきたか……。 「ああ、早く席に座れ」 相変わらずだな、もう少しだけ早く起きればいいものを。 そして、合宿のことを話した。 黒葉と麻田があらかさまに嫌な顔をした。 田中と赤城は嬉しそうだ。楽しみなのだろう。 仲村と佐倉は、いきなりのことで驚いているみたいだが、楽しそうだ。 「麻田どうした?嫌なのか?」 「余り馴れ合いたくないからです」 退魔師は基本は四人から六人のチームで仕事をするから、こっちとしても馴れ合って欲しいのだが。 「まあ、そういうことだから準備しといてくれよ」
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