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「あのさ、話変わるけどモデルの仕事は今、減らしてんの?」
「うん、今は全くやってないよ。むしろこのまま辞めてもいいかなって思ってるくらい。」
「ふーん…本当は言いたくなかったんだけどさ、」
「…ん?」
綺麗な二重の目が優しく見つめ返してくる。
「ちょっと前に谷口に俺たちのこと聞かれて、谷口ならいいかと思って言ったんだよ。そしたらすっげえ喜んでて…でもその卒業までは距離を置くってのをすっごく心配されて…」
「…うん。美桜さんの顔浮かぶわ。」
ふふっと優しく笑う顔を久しぶりに近くで見て、不覚にも胸が締め付けられる。
「…そんで、これで少しは寂しさ紛らわせろってコレ…」
俺は一冊の雑誌を鞄の中から取り出し、そっと机の上に置いた。
「あ、これ」
「…お前の特集組まれてるからって」
「……え、読んだ?」
「…うん。」
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