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「え、なんか微妙に恥ずい…せんせーは絶対こういう雑誌見ないって思ってたから。」
「…いや貰わなきゃ見ねえよ。こんな雑誌…」
だって…これって女子向けじゃん…
「いや、だよね…」
「…正直ビックリした。…すっげえカッコいいと思った。なんだかんだ言ってお前の制服着てるとこしか見たことないし…」
「…あのさ、あんまりそういうこと言わないでくれませんか?」
「…あと…ちょっと妬いた。あんまり想像してなかったけど、こうやって女の子と手繋いだり見つめ合ったりする撮影もあるんだって。」
「…ねぇ、だから」
三浦の言葉を遮って続ける。
「でも!カッコいいって思ったんだよ。覚えてる?俺が高2の夏のお前に言ったこと。あんときは軽い気持ちで嫌なら辞めた方がいいとか言ったけど…」
「…うん」
「…この雑誌の中のお前見て、辞めない方がいんじゃないかなって思っちゃったんだよな。」
「…」
「もちろん、今でもお前の気持ちが最優先だと思ってるけど…」
言った後でふと気づいた。
「…ゴメン、俺、お前が嫌ってるお前をちゃんと見てないやつらと同じこと言ってるよな…」
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