244人が本棚に入れています
本棚に追加
「……もうさ、あんまり余計なこと言わないでくれる?」
いつもよりも低い声に、瞬時にヤバイと思った。
冷めきった三浦がフラッシュバックし、唇をギュッと噛み締めた。
待って、どうしよう、呆れられた?
「……」
「……煽んないでくれますか?」
「………え、は?」
「せんせーさ、俺をどうしたいの?」
ジッと俺を見つめる目を、俺も見つめ返すと、やっとわかった。
三浦は怒ってなんかない。
むしろ、欲に濡れた瞳をしてる。
「…ごめん」
「ったくさ、怒ってるとでも思ったの?おばか」
「…」
「モデルのことはちゃんと卒業してから考えるから。そしたらせんせーにも今度は彼氏として相談乗ってもらうから。ね?」
「…」
サラッと彼氏って…
「ねぇ、そうやって顔赤くしないでくれますか。こっちはそうとう我慢してるんですけど。」
「…ふざけんな。こっちもだよ、あほ」
「…はぁ、っとに。」
…ガタッ
「え、」
三浦が徐ろに椅子を引いて立ち上がる。
.
最初のコメントを投稿しよう!