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ぐるっとコッチまで来たかと思えば俺の横に立つ。
そっと見上げると、はい、と手を伸ばしてきた。
「…え、なに」
「…いいから。」
手をそっと掴むと、思いっきりグイッと引き上げられた。
「…っちょ!」
「…っとに。もう。」
そのまま気付いたら三浦の腕の中に閉じ込められていた。
「…ダメだって」
「せんせーがいけないっしょ?どんだけ俺のこと煽ったと思ってる?カッコいいとか、妬くとか…そういうのはダメでしょ?ねぇ?」
なんかいっぱい三浦が言ってるのは分かるんだけど、それよりも久しぶりにこんな近くに三浦がいることが嬉しくて、あんま耳に入ってこない。
ダメだって分かっててもついブレザーの裾をギュッと握り締めて、三浦の胸に顔を埋めてしまう。
久しぶりにこんな近くでこの落ち着く匂いに包まれた。
「…あのぉ、聞いてます?そんな可愛いことされるとキスしたくなるんですけど。」
「…それはダメ」
「…はぁ。」
「ふふ」
我慢してる三浦が面白くて、可哀想だけど笑ってしまった。
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