distant

13/16
前へ
/430ページ
次へ
ぐるっとコッチまで来たかと思えば俺の横に立つ。 そっと見上げると、はい、と手を伸ばしてきた。 「…え、なに」 「…いいから。」 手をそっと掴むと、思いっきりグイッと引き上げられた。 「…っちょ!」 「…っとに。もう。」 そのまま気付いたら三浦の腕の中に閉じ込められていた。 「…ダメだって」 「せんせーがいけないっしょ?どんだけ俺のこと煽ったと思ってる?カッコいいとか、妬くとか…そういうのはダメでしょ?ねぇ?」 なんかいっぱい三浦が言ってるのは分かるんだけど、それよりも久しぶりにこんな近くに三浦がいることが嬉しくて、あんま耳に入ってこない。 ダメだって分かっててもついブレザーの裾をギュッと握り締めて、三浦の胸に顔を埋めてしまう。 久しぶりにこんな近くでこの落ち着く匂いに包まれた。 「…あのぉ、聞いてます?そんな可愛いことされるとキスしたくなるんですけど。」 「…それはダメ」 「…はぁ。」 「ふふ」 我慢してる三浦が面白くて、可哀想だけど笑ってしまった。 .
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

244人が本棚に入れています
本棚に追加