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「今日、セーター、グレー。」
「うん。せんせーは、紺とグレーしか着なかったんだっけ?」
ちょっとバカにした感じで言われたから、顔を上げて睨んでやった。
「…そんな口尖らせたらキスしたくなるでしょーが」
人差し指と親指で唇を挟まれて潰された。
「…あは、やべ。可愛い…」
バシッと腕を叩いてやった。
「…バカ」
「うん。」
何それ、何笑ってんの。そんなに優しい笑顔で頷くなよ。なんか言い返せよ、あほ。
ちょっと上から見下ろされて微笑まれて、そんなのに耐えられなくなり、ぼふっと三浦の胸に顔を埋めて隠す。
そうすればそうしたで、また三浦の匂いが鼻をかすめて、胸がきゅーってなるんだけど。
「…はぁ全く困りますね。」
「…」
「グレーすき?」
「うん」
「王道だよね」
「…あぁ。」
「…一番好きなのは?」
「なんでも似合うよお前は。」
「……はぁ。」
だって選べねえし。
「…でも、やっぱグレーいいかも。」
「…あそ。はぁ…」
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