distant

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「…はい、せんせー、おわり。」 ギュッと抱き付いてたら、ゆっくりと引き剥がされた。 「そんな目で見ちゃダメ。」 どんな目してたんだ俺… 「……ごめん、ちゃんと面談できなかった。」 なんか急に罪悪感に見舞われる。 「…いや、せんせー充電できたから日本史頑張れる。ありがと。」 「…なら良かった。」 なんか久々に近すぎて、甘え過ぎた気しかしない。元はと言えば自分から手放したのにな。 「…本当に頑張るから。」 「おぉ、俺も頑張れしか言えないけど。担任として本当に応援してるから。」 「…うん、ありがとう。」 「…あ、そうだ。これ、みんなにあげてんの。神社行って全員分買ってきた。合格祈願で五角なんだって。…はい。」 「…鉛筆。」 「そう。…マークシートの試験のときの鉛筆。担任らしいこと、これくらいしか出来ないけど。」 「…先生のそういうとこ好きだよ。」 「…っは?」 「…っふふ。なんかみんなに平等に優しくて、いつもは出さないけど本当は生徒想いなとこ。」 .
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