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『…先生、先生のおかげで頑張れた。』
なんでそーゆーこと言うかなぁ。
「…ばか、…おめでと」
完全に涙声だ。
いや、もう堪えきれてない。
涙がとめどなく頬を伝っていく。
『…ありがとう。』
三浦の声も少し震えてる。
「…よく頑張ったじゃん。…本当におめでとう。」
『…先生のその言葉が聞きたくて頑張れたから。あとは明日会う時に俺の大好きな笑顔見せて。』
「……」
なんでそんなに泣かせてくる?
情けないくらい何も言えない。
嬉しいのと安心と照れと愛おしさと、いろんな感情が混ざりすぎて言葉に出来ない。
言葉にならない分はすべて涙に変わっていく。
『…泣かないで、せんせ。俺、ずっと前から先生の涙に弱いから。どーすればいいかわかんなくなるから。』
「……」
悲しくない涙で、こんなに泣いたのは初めてかもしれない。
きっと今まで我慢した分のも合わせてだからこんなに止まらないんだ。
『…せんせ、』
「…うん。」
『深呼吸してみて。』
いつもより落ち着いた低い声で言われる。
「……はぁー、ふー、」
『…落ち着いた?』
「…ん。」
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