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セッション1から四日経った休日、僕はルールブックを買うために本屋に来ていた。 雷斗さんに聞いたところ、「とりあえず本屋に行けばある」と言われたからである。 今こそ溜まった図書カード(10枚)を使う時である。 そんなこんなで本屋でルールブックを探している僕は清水 理樹。 ただの普通の学生である。 「……あ、これかな?」 どうでもいい事を考えていると、ソード・ワールド2.0のルールブック三種を見つける。 えっと値段は……全部で二千七千円か……高いけど溜まりに溜まった図書カードで買える。 ついでにリプレイ本も買っていこう、二本くらい。 それらを持って会計に持っていく。 「すみません、これお願いします……ん?」 「はいはい……って理樹じゃん、どうしたん?」 「それはこっちの台詞ですよ氷雅さん」 まさかのレジにいる店員が氷雅さんだったという。 何でバイトしてるんだろう? 「いやぁ、ちょっと世話になってる人の手伝いをだな……お、ルールブック買うん? リプレイ集も」 「まあ、ルールブックは各自で持っていた方がいいってありましたし、リプレイ集は読みたいからです」 「いい心がけだな……って全部図書カードで払うんかい」 世話になってる人、ねぇ……。 そして全部図書カードで払うって言うね。 だって溜まってるんだもん。 「ほいほい、と……余ってる分は返すぞ」 「ありがとうございます……ってバイトもしてるっていつシナリオ作ってるんですか?」 「授業中に半分出来ればオッケー」 「赤点は取らないでくださいよ?」 僕がそう聞くと、氷雅さんは何故かある椅子に座ってそう答える。 授業中って……赤点大丈夫かなぁ……? まあでも、雷斗さんと愛莉さんいるし、何とかなってるのかな? 「大丈夫だ。それじゃあ、また来てくれよ」 「機会があったら来ますね」 氷雅さんから本を受け取った後、僕はその本屋を出た。
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