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「引越し資金が必要だね」
ゆりちゃんは俺にそう言った。
事務所に近くに部屋を借りて住むことにした。
ワンルームだから、俺はそこに同棲はできない。
通う形になるだろう。
ゆりちゃんには
部屋を借りてそこで新しい生活を始めて欲しかった。
借りる日は決まっていた。
11月の18日彼女の誕生日だった。
また、台風が来そうな気配があった。
「次台風が着たら、結婚だね?」
ゆちちゃんはそう言った。
おれも結婚したいと思った。
「私ね…」
ゆりちゃんは言った。
「トラウマっていうのかな…男の人と付き合うってできない もてない分けじゃないよ 遊びで付き合いたくないの」
俺もそうだ。
最後にしようって思ってる。
「秀くんを見てうらやましいなって思うことがあるの」
何?
「仕事でもプライベートでも尊敬できる人ってゆりにはいないから…」
そっか。
でも俺もゆりちゃんの年の頃にはいなかったな。
「男の人に傷つけられたことがあるから…」
俺もそうだ。
過去に傷つけたことがある
「次に付き合う人とは結婚かなって思ってた」
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