第3話

4/10
前へ
/10ページ
次へ
ここから早く出なければー そんな思いが俺の頭を支配する。 「これ、借ります」 一番目立たず、もっともらしい脱出方法がこれだった。 すると、カウンター越しの彼女に名簿らしき物を渡される。 「貸出カードに名前を書いてください」 決められた言葉を発する人形みたいだ、と思った。 俺はこの学校に来て初めてそれに名前を書く。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加