さぁ、始まりだ!!的な?

8/16
前へ
/21ページ
次へ
「クッ!?コノッ!化け物共が!!ここを何処だと思っている!ここは聖なる教会だぞ!?貴様らがいて良い場所では無い!」 神父姿の初老が、“侵入者”に向かって叫ぶ。 「化け物だと、吸血鬼」 「それは、お前もだろう?“魔夜”」 【黙示録の吸血鬼】 【不死の魔女】 の二人である。 魔夜と言うのは、魔女の新しい名前である。 「ふふん!おい、爺。私は化け物ではない。魔夜と言う名前があるのだ!!と言っても、貴様のような輩には呼ばれたくないな」 「なら、何と呼ばれたいんだ?」 「む、う~ん。そもそも、吸血鬼以外が私の名前を呼ぶな!」 ビシィッ!と、効果音が聞こえてきそうなポーズで初老の神父を指差していた。 「はいはい。そろそろ話を進めたいから魔夜は静かにしてくれ」 彼は魔女の頭に手を置き、一歩前に出た。 「聞きたい事がある。忌み子は何処だ?」 「な、何!?忌み子だと!?そんな汚らわしい奴が聖なる教会に居るわけが無いだろ!」 「…………そうか。なら、死ね」 「な、何をi」 グシュッ!!! 神父の頭が潰れた。比喩ではなく、本当に潰れたのだ。 「忌み子だと?何故探しているのだ?」 魔夜の問い掛けに、彼は哀しい笑みを浮かべた。 「……………約束を果たしに行くだけだ」 そう言い、彼は教会から出ていった。 「約束?…………忌み子……………」 魔夜は何かを思案しながら教会を出ていった。 ───ねぇ?一つ、お願いしていい? ───私は、【忌み子】。世界の全てから嫌われて、呪われている。 ───私が死んでも、いずれ私のような【忌み子】が現れる。 ───その子も、私のような人生を送ると思うの。 ───いえ、私は貴方が護ってくれたから、良かった。だけどね、次の子はそうじゃない。 ───だから、護って欲しいの。私のように、ううん。私以上に幸せに、して欲しいの。 ───幸せに出来なくても、自分が【忌み子】なんて関係無いと思えるように。 ───お願い。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加