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「クッ!?コノッ!化け物共が!!ここを何処だと思っている!ここは聖なる教会だぞ!?貴様らがいて良い場所では無い!」
神父姿の初老が、“侵入者”に向かって叫ぶ。
「化け物だと、吸血鬼」
「それは、お前もだろう?“魔夜”」
【黙示録の吸血鬼】
【不死の魔女】
の二人である。
魔夜と言うのは、魔女の新しい名前である。
「ふふん!おい、爺。私は化け物ではない。魔夜と言う名前があるのだ!!と言っても、貴様のような輩には呼ばれたくないな」
「なら、何と呼ばれたいんだ?」
「む、う~ん。そもそも、吸血鬼以外が私の名前を呼ぶな!」
ビシィッ!と、効果音が聞こえてきそうなポーズで初老の神父を指差していた。
「はいはい。そろそろ話を進めたいから魔夜は静かにしてくれ」
彼は魔女の頭に手を置き、一歩前に出た。
「聞きたい事がある。忌み子は何処だ?」
「な、何!?忌み子だと!?そんな汚らわしい奴が聖なる教会に居るわけが無いだろ!」
「…………そうか。なら、死ね」
「な、何をi」
グシュッ!!!
神父の頭が潰れた。比喩ではなく、本当に潰れたのだ。
「忌み子だと?何故探しているのだ?」
魔夜の問い掛けに、彼は哀しい笑みを浮かべた。
「……………約束を果たしに行くだけだ」
そう言い、彼は教会から出ていった。
「約束?…………忌み子……………」
魔夜は何かを思案しながら教会を出ていった。
───ねぇ?一つ、お願いしていい?
───私は、【忌み子】。世界の全てから嫌われて、呪われている。
───私が死んでも、いずれ私のような【忌み子】が現れる。
───その子も、私のような人生を送ると思うの。
───いえ、私は貴方が護ってくれたから、良かった。だけどね、次の子はそうじゃない。
───だから、護って欲しいの。私のように、ううん。私以上に幸せに、して欲しいの。
───幸せに出来なくても、自分が【忌み子】なんて関係無いと思えるように。
───お願い。
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