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「チッ!。………あぁ、一つ思い出したことがある。
王はお前のその笑顔が時として、堪らなく憎いぞ」
「それはどうも。なら貴方と話す時は何時でもこの笑顔でいきましょう」
皮肉を言い合う。
しかし、両者に険悪な雰囲気は何時しか消えていた。
「それにしても、片腕が無いと言うのは不便だな」
金の男は斬り落とされた腕を見て忌々しく呟いた。
「治せば良いじゃないですか。貴方なら出来るだろう?」
黒の男は不愉快な笑みを浮かべながら言った。
「……………それもそうだな」
金の男は黒の男の言った事を肯定すると。
「ん、よし!もう大丈夫だ」
何時の間にか斬り落とされた腕が治っていた。
『異常』その光景は、正にその通りだった。
「良かったですね~。やっぱり便利ですよね。貴方の『能力』は」
黒の男は目の前の現象を見て、愉快だと言わんばかりの笑みを浮かべている。
「そうか?王からして見れば、貴様の方が凄いと思うがな」
「いやいや(笑)俺の場合は凄いとか凄くないとか
強いとか弱いとか
そんな次元の話じゃ無いからさ(笑)」
そう言う黒の男の顔は、痛々しい程の笑顔だった。
「…………フッ。そうか。
さて、話はここまでだ。存分に殺ろうぞ」
その言葉と共に金の男の殺気が膨れ上がる。
「はぁ、わかりましたよ。最後まで付き合いますよ」
黒の男は呆れながら、しかし楽しそうに殺気を出す。
「クハハハハッ!!。そう来なくてはな!!」
二人は睨み会う。
狂った笑みを浮かべて。
そして、二人は駆け出す。
「死ね。化け物」
「くたばれ。人外」
二人はぶつかり合い、とてつもない光が周囲を包み込む。
光が止むと、そこには、何も無かった。
これは、一握りの存在しか知らない。
とある闘争劇である。
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