2人が本棚に入れています
本棚に追加
「鈴木先輩、大阪かぁ。」
と、健太がつぶやく。
一年に一度の大きな辞令。
「寂しくなるね。」
私が言う。
鈴木先輩と健太とはよく3人で飲みに行った。
同じプロジェクトを3人で成功させて以来凄く仲良くしていた。
「うちの会社、異動多いっすよね。」
健太が言う。
「うん、結構容赦ないよね……。」
いつ自分たちもなるものかヒヤヒヤする異動シーズン。
何の男尊女卑か、地域の大きな異動は基本的に男子だけ、大手企業の昔の名残か。
出世も転勤も男子の率が圧倒的な割合で多い会社だ。
私はそこについては何のハングリー精神も無く
むしろラッキーだとすら思っていた。
最初のコメントを投稿しよう!