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十二章★選択 #2
「凛?今帰ってきたよ。ごめんなー、週末一緒にいれなくて。」
実家から家に帰ってきた事を告げる電話。
でも、これはきっとフォローの電話だ。
「あ、私寝ちゃってて…今何時?」
本当に時間が分からない。
「早いな凛。まだ22時過ぎだぞ。俺が居ないからってぐうたらしてたな!」
先輩が何の疑いもなしにちゃかす。
……ズキッ
胸に重い痛みが走る。
「うん。つい、ね……。」
力なく答えると
「何か寝呆けてるみたいだな。もう寝ちゃう?ならもう切るよ。」
先輩は相変わらず、優しい。
「うんっ。シャワーとか、浴びてこよ。」
「じゃあ寝る前また電話して。」
そう言って短い電話は、切れた。
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