当日。(前篇)

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トントン。 鏡張りの広い部屋にノック音が響く。 返事をしなくても、その人はドアを開けて入ってきた。 「孫にも衣装…だね」 純白のドレスを身に纏った私に彼、鳳夏芽(おおとり なつめ)は憎まれ口を叩く。 「おかげさまで…、こんなに綺麗なドレス着れるなんて夢にも思ってなかったです」 「幼馴染みなんだから堅苦しいしゃべり方やめない?同い年なんだし」 「……」 昨日までの私なら夏芽ってきっと呼べてたはずだった。
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