三日前。

5/9
前へ
/75ページ
次へ
俯くと涙がこぼれた。 「み…ずき…ぃっ」 私が泣いてるのに気付いて、バッと私を見る瑞希。 そして近付いてくる。 「ばっか!なに泣いてんだよ!」 私の足下に屈んで、覗き込んでくる。 ほっぺを両手で包まれて、親指で涙を拭う瑞希。 暖かい…暖かいよ、いつだって瑞希の手は…ぬくもりで溢れてる。 いつだって私だけの瑞希の手だった。 私だけのぬくもりだった。 私は両手で瑞希の両手を包み返す。 離さないでほしかったから。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

65人が本棚に入れています
本棚に追加