三日前。

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「"アト、三十秒デ、頂上デス"」 鉄の箱の中で、心のないアナウンスが流れる。 もう半分も回っちゃったんだ…。 私と瑞希だけの空間が"観覧車半分"分終わってしまう。 「…未愛」 名前を呼ばれて瑞希を見ると、唇に暖かい感触。 ふれるだけのキスだった。 そして一言。 「幸せになれよ」 そう言われて、今度は前が見えなくなるほど涙が溢れ出す。 瑞希は静かに私の隣に座って、私を抱き締めた。
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