WELCOME TO LIAR STORY!

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     ◆    ◆  劉生魔法学園高等学校に不審者が侵入し、一年の生徒に暴行を加えその後逃走。現在もまだ捕まっていない。暴行を加えられた木村セイナ(公表時は匿名)は首の骨を折られ、心配停止状態状態で病院に送られた。  そんな文章を空間端末で閲覧しながら身近で大事件があったことに未だ実感が持てないシイタ。劉生魔法学園大学付属病院をミサネと一緒に歩いていた。あれだけ絶望的と言われていたセイナが“奇跡的”に息を吹き返し、首の骨が折れて長い期間酸素不足にあった筈なのに“奇跡的”に後遺症も無く回復に向かっていると言うのが一番実感が沸かない。  セイナの証言でも結局その不審者が誰なのか未だに分かっていないし、捕まえる手掛かりすらもない状態だ。セイナの衣服が乱れていた事から乱暴しようとしていたのは間違いないが、分かっている事はそれだけだ。しかしシイタはあれだけの目にあってなお事件と向き合おうとするセイナがどこか格好良く見えた。 「わざわざ計画書を……ありがとうございます」  セイナの意識が戻って三日後、未だに首に巻いた重々しいコルセットは外せない。シイタとミサネが来ても、その方向を向こうとするだけで精一杯という感じだった。計画書を貰っても首を下げるのではなく、書類を掲げて読まなければならないから本人からすれば一苦労だろう。 「セイナ、本当に残念だった。あれだけパレードに携わりたがっていたのに」 「いえ、こちらこそ穴を作ってしまう形になってしまって申し訳ありません。でも命が無ければパレードを拝む事さえ出来ないですから」  命あってのモノダネです、と笑顔で付け加える。それにパレードまでに治る確率がかなり高いのもポジティブになれている理由だろう。 「安心しろ、君の穴は俺が埋めておいた」 「いや……あのー……」 「お前は自分の穴に入っただけだ」  二人のジト目が酷く痛い。珍しく働いたのに、どうしてこうなってしまったんだろう。どうすれば彼女たちは褒めてくれるのか。  そんな風にシイタが不貞腐れているとベッドの上のセイナが何やら頬を染めて目を逸らしていた。思えば意識を取り戻してからのセイナはシイタにどこかよそよそしい事極まりない。 「あの……シイタ先輩……」
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