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しかし首のコルセットが外れたあとのセイナの料理が楽しみと言えば楽しみだ。何だかんだで今何故か起こっているミサネが作る料理も、その後のイベントも楽しみと言えば楽しみだ。
決してその思い出の中に、天野サギリという超天才少年がいた事等思い出す暇も無く。思い出す事も無く。世界から完全に排除された幼馴染の事を思い出す隙も無く。
今日も清水シイタは、この世界の人間は幸せに生きるのであった。
これは最初から作られた世界。
これは最初から仕組まれた世界。
これは最初から決まっている世界。
つまり。
だけど少なくとも清水シイタはこの世界を愛していた。
最初から決まっている、安心が保証された世界を愛していた。
だからこそ、彼が主人公足りえる事はない。
主人公である事は出来ない。
この世界に主人公はいない。
いた所で、ダークヒーローにされて排除され。
最後が決まっていない、永遠が保証された世界を信じていた。
そして仕組まれて清水シイタはこの世界を信じていた。
だから。
これは最後が決まっていない物語。
これは最後が仕組まれない物語
これは最初が作られない物語。
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