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「ならば、俺は望もう。俺の望みはお前の命だ。---そうして俺はお前から解放される」
そう宣言した。
冷静に考えれば、普通自分の命を差し出す様な馬鹿な願いを叶えるはずがない。
そう、普通ならば、だ。
『--------ク----ハッハッハー!面白い!!面白いよキミ!!』
心底可笑しそうに笑い、【魔王】はこれまでとはうって変わった真剣な声で告げた。
『いいだろう、これは契約だ。僕は契約を違えない、せいぜい頑張りたまえ、ガルド・ネグルア-----』
その言葉を最後に、音声は終わりを告げた。
『----------以上で通信を終了します。尚、上位管理者からの追加チュートリアルを受信、チュートリアルを続行しますか?』
再び機械的な音声が響き、【魔王】との会談の終わりをはっきりと告げる。
身体の力が一気に抜け、部屋に一つしかない椅子に力なく崩れ落ちた。
今まで----いや、一度死んだというなら、生前というべきか。
生前幾度となく体験した戦いなど比べるまでもなく、心身共に疲れ果てた。
目の前には窓がぷかぷかと浮かんでいる。
「はい」と「いいえ」の文字が早く押せと急かしている様だ。
取りあえず暫くは休みたい。
そんな言葉を口にしたのかしなかったのか。
ゆっくりと瞼を閉じた------。
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