【第24話】切れた線と

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  「じゃあ、羽村さん、お願いできますか?」 「……はい」 頷いて、これまでの経緯をできる限り事務的に話した。 担当者である私を通さない連絡事項。 撮影現場でのデータの扱いや担当替えの要求、理不尽な修正の繰り返し。 愚痴にならないよう、文句にならないよう、気をつけて話をする。 神谷さんも佐川さんも、黙って私の言葉に耳を傾けてくれた。 ……ただ、御園さんだけは、私を見ずにつまらなさそうにしていたけれど。 それももう、気にはならなかった。 ハッキリ言って私はもう、御園さんが何をしたかなんてどうでも良かった。 何もかもを明らかにして、御園さんにされた仕打ちを訴え、彼女を咎めて謝罪させたい……なんていう気持ちは、欠片もない。 細かいことをあげればきりがないし、最終的には私の主観の話になってしまうからだ。 .
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