【第24話】切れた線と

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  「あの、御園さんからのメールにはA1と……」 『違います! 昨日、サイズ変更のご連絡をしています!』 「えっ、でも……」 何度メールボックスを確認しても、私の元には届いていない。 おかしい……どうして……? そこで、ハッとした。 嫌な予感が胸を過る。 「もしかして……御園さん、長瀬に……?」 『ええそうです! お電話が繋がらなかったのでメールでしたけれど、確かに長瀬さん宛に送りました!』 空のままの隣の席を見て、私は凍り付いた。 すうっと背中を嫌な汗が流れ落ちていく。 予想的中、だけどこんな場面で、まさか。 「長瀬は昨日から明日まで、撮影で不在なんです! 作業しているのは私ですし、変更なら私に言っていただかないと!」 『そんなの、こちらには関係ありません。そちらの連絡ミスでしょう?』 「そんな……どうして私の方には連絡してくださらなかったんですか?」 縋るような言い方になっていることには気付いていた。 けれどそれくらい、真剣に訴えかけるしかなかった。 .
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