【第24話】切れた線と

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  このままだと、責任がどこにあるのか、会社同士で追求し合うことになる。 印刷会社にまで回ったデータ。 きっともう、一部は刷り上がっている。 サイズが違うとなると、もう一度印刷することになる。 印刷代だって馬鹿にならない。 コンビニにあるようなコピー機とは額が違う。 では、ミスした分の印刷代は誰が払うのか? ……それは当然、原因を作った人……ひいてはその会社が担うことになる。 ここでの争いが、会社に大きな損害を与えることになりかねない。 けれど、私の言葉にも、御園さんは動じなかった。 『長瀬さんに伝えた方が確実だと思ったからです』 「っ、担当は、窓口は私です!」 もう、ほとんど叫びに近かった。 声を荒げたせいで、社内の空気が一瞬、止まったのを感じる。 『ええ、だから何だと言うんですか?』 「なに、って……」 言葉を失った。 御園さんの主張は、私にとっては到底受け入れがたいことなのに、彼女にとっては違うようだ。 弁解はおろか、謝罪の意さえ、微塵も感じさせない空気が、そう伝えている。 きっと心から、自分に落ち度はないと思っているんだろう。 これは、私のミスだと確信しているからこその態度だ。 もやもやとした言い様のないわだかまりと、それでも何とかしなくてはという使命感。 そんな気持ちと必死に戦っている私の耳に、はあ、と大きな溜息が聞こえた。 .
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