1565人が本棚に入れています
本棚に追加
その後、仕事の進行の確認を行った。
内藤さんや辻さんとは何度も仕事をしたことがあるらしく、営業との連携については「心配しないでください」と言ってくれた。
「それで」
一通り、確認を終えた後、神谷さんが言う。
「お詫びというとなんですが……この後、もしよろしければ一席設けさせていただけませんか?」
「え?」
少しだけ眉を下げた神谷さんがそう言って、にっこり笑う。
そんな誘いが来るとは思っていなかった私は、咄嗟に隣の佐川さんの方を振り向いた。
「そこまで気を遣っていただくことじゃないですよ」
そう答えた佐川さんに、神谷さんが頭を振る。
「いえ、このままだと僕の気が済まないので」
「そうですか、では……と言いたいところなんですが、私はこの後まだ打ち合わせが入っていて」
残念そうに言った佐川さんが、私の肩をぽんと叩いた。
.
最初のコメントを投稿しよう!