20××年、10月1日 真祖の吸血鬼

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 だけど、俺が『人間』をやめると言うのは、既に決めたことなのだから自分で何を言っても無駄なのだ。  そっと左手で自分の頬に触れ、なぞった後、早歩きを始める。  数学のプリントが終わった後は、四郎が言っていたカラオケに行く予定だ。  春風と四郎は今カラオケで何を歌うかと話し合っている。  対し、俺はカラオケボックスの店に行くために歩き続けていると、無言で黙っていた黒雪が俺に近づいてきた。 「……寿」 「んぁ?ああ黒雪。そういやお前カラオケ大丈夫か?俺の勝手な想像なんだがお前が歌うところなんて全く想像できないぞ?」 「うるさい。俺だってカラオケぐらいいくに決まってる……そんな事はどうでもいい」 「え?」  黒雪はそう言った瞬間、突然俺に手を伸ばしていき、俺の額に触れる。  まるで子供に熱を計るような、そんな触れ方だった。 「顔色が悪い。大丈夫か?」 「ああ……いつものことだよ気にすんな。春風が言っていたとおり、俺夜型なんだよ」
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