20××年、10月1日 真祖の吸血鬼

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 歯を噛み締めながら、その苦しみに耐え始める。  急いでポケットから『血液錠剤(タブレット)』を取り出そうとしたが、手が震えてしまい中々取り出せない。 「チッ……」  舌打ちした後深呼吸をし、震えた手で鞄から取り出そうとすると、目の前には春風の顔があった。 「っ!!」 「どうしたのはるくん?もしかして本当に具合が悪い?」 「い、いや……っ」  顔を覗かせ、近づいてくる春風の行動に対して、俺はただ迷惑としか思えなかった。  春風の首筋がどこか綺麗に見えて仕方ない。  このまま、噛み付いてしまいそうで怖かった。  鞄を急いであさり、血液錠剤(タブレット)を発見するとすぐに一粒口の中に入れる。  飲み終わったのをしっかりと確認した後、深呼吸して春風から一歩離れる。 「はるくん?」 「……大丈夫。ほら、顔色悪くないだろ?」
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